海と山に囲まれ、気候も穏やかな静岡県は、食材の宝庫として知られています。そんな豊かな土地の恵みを日常で味わえるのが、地域密着型のスーパーマーケット。
しずてつストアや田子重をはじめ、遠鉄ストア、エブリィビッグデー、フードストアあおき… どのチェーンにも地元の生産者や食文化を大切にした工夫が詰まっています。
本記事では、県内で親しまれるご当地チェーン15店を一気にご紹介! 東西に長い県土が生む地域差、沿岸部ならではの鮮魚売り場、季節に色づくお茶コーナーまで、静岡の食文化をスーパー目線で楽しむガイドです。
旅行の合間の買い物にも、地元の毎日使いにも、静岡ならではの “おいしさ” を見つけてみませんか?
静岡県のスーパーの特徴

静岡県のスーパーは、地域の風土や暮らしに合わせて独自の進化を遂げてきました。
海と山に囲まれた地形、東西に長い県土、そして豊かな食文化—— それぞれの要素が売場づくりに色濃く反映され、同じ静岡でも地域ごとに “違う顔” を見せるのが魅力です。
まずは、そんな静岡ならではのスーパー事情を4つの視点から見ていきましょう。
東西に長い静岡県は、地域ごとにスーパー事情が違う
静岡県は、東西約150kmにもおよぶ横に細長い地形が特徴です。そのため、西部・中部・東部・伊豆地方で気候や生活圏だけでなく、文化的な背景まで異なり、スーパー事情にも地域色が出ています。
たとえば、県東部は東京方面の文化的影響を受けやすい一方、県西部は名古屋に近い食習慣が取り入れられるなど、多彩な食のバリエーションが生まれています。
こうした地域差を反映し、取り扱う商品や店舗のスタイルも変化を持たせているのが静岡県のスーパーのおもしろいところです。
沿岸部に人口が集中しているので、鮮魚売り場が充実
静岡県は太平洋に面した沿岸部に、浜松や静岡市、沼津など大きな都市が集中しており、魚の鮮度を重視する文化が根づいています。
スーパーでも、焼津・清水のマグロやカツオ、由比の桜えび、駿河湾のシラスなど、地元港の旬魚が並ぶ光景は日常の一部。
とくに刺身や切り身、寿司など “食卓にすぐ出せる形” で展開されているため、地元の方々だけでなく観光客にとっても、静岡ならではの味を楽しめる身近なスポットになっています。
名産品の「お茶」は売り場の存在感が大きい
静岡県といえば全国に名を知られるお茶どころ。県内では「本山茶・川根茶・掛川茶」の3大産地が有名で、それぞれ香りやコク、深蒸しの濃さなどに個性があります。
スーパーの売場でも静岡茶コーナーが常設されており、地元産の茶葉やティーバッグ、ペットボトル飲料まで幅広くそろっています。
なかでも新茶が出回り始める5月頃には試飲販売や特設棚が登場スーパーもあり、“お茶の香りが漂う売場” が季節の風物詩に。まさに静岡を象徴する売り場のひとつといえます。
お惣菜にこそ “しぞーか感” がある
静岡のスーパーを訪れると、お惣菜コーナーにご当地色が強く表れています。
代表的なのは黒はんぺんフライや静岡おでん、浜松餃子、富士宮やきそばなど。そのほかにも、しらす丼やわさび漬けといった地元食材を使ったメニューが並び、“家庭の味×静岡の味覚” が楽しめるのが魅力です。
観光客にとっても、スーパーの惣菜コーナーは “しぞーかグルメ” に出会える場所。気軽にご当地の味を楽しめるのも、静岡県のスーパーならではです。
静岡発祥! 県を代表するご当地スーパー 15選

では、さっそく静岡県内で愛されている代表的なチェーン系スーパーを15店舗を一気に見ていきましょう。
静岡にはしずてつストアや田子重をはじめ、地元発祥のスーパーが数多く存在します。いずれも地元産の名産品や生鮮食品に力を入れ、価格帯・品揃え・サービス面で独自の強みを発揮。近年はランキング情報サイトでも静岡県内のスーパーが上位に入り、全国的にも注目を集めています。
① しずてつストア

「しずてつストア」は、静岡鉄道グループが運営する静岡県中部を代表するスーパーマーケット。本社を静岡県静岡市葵区に置き、静岡市・焼津市・藤枝市などを中心に約35店舗を展開しています。
店舗の規模や品揃えも充実しており、鮮魚や精肉に加えて地元食材の取り扱いにも力を入れています。マーケットピアなどのランキングでも上位に名を連ねる人気チェーンで、地域では圧倒的な知名度を誇ります。
※参考:ホームメイト・リサーチ「静岡県のスーパーマーケットランキング」
② 遠鉄ストア

「遠鉄ストア」は、遠州鉄道グループが運営する静岡県西部を代表するスーパーマーケット。本社を浜松市中央区に置き、浜松市・磐田市・袋井市・掛川市などを中心に38店舗を展開しています。
鉄道・バス事業と連携した出店戦略や、独自のポイント還元制度など、利便性とサービス性を両立した運営が特徴です。地場産の野菜や魚、惣菜の取り扱いにも力を入れており、地域イベントや地元企業とのコラボも積極的。
西部エリアで高い知名度と信頼を誇るスーパーとして多くの家庭に親しまれています。
③ スーパー田子重

静岡市と焼津市の間に広がる志太榛原エリアで、長年にわたって親しまれているローカルスーパーが「田子重」です。
本社を静岡県焼津市に構え、静岡市・焼津市・藤枝市・島田市などを中心に16店舗を展開中。派手な広告よりも日常の使いやすさを重視した店舗づくりが特徴です。
鮮度の良い青果や魚介類に定評があり、地域の生産者と近い距離で仕入れを行うなど、“地元の味”を大切にした運営スタイルを貫いています。
惣菜コーナーも充実しており、家庭的で温かみのある味付けが人気。地域の食卓を支える存在として、まさに地元密着型スーパーの代表格です。
④ エブリィビッグデー

浜松市に本社を置く「エブリィビッグデー」は、精肉店をルーツに持つスーパーマーケット。静岡県中西部を中心に、東部まで幅広く28店舗を展開しています。
精肉の品質と価格に強みを持ち、「肉といえばビッグデー」と評されるほどの存在感。野菜や鮮魚も扱いつつ、ボリューム感のあるパック売りや日替わり特売など、ファミリー層に向けたディスカウント性の高い売場づくりが特徴です。
折込チラシの目玉商品や週末セールは地元でも話題になることが多く、“安くて満足感のあるスーパー”として西中部エリアに根づいています。
⑤ フードマーケット マム

静岡県静岡市駿河区に本社を置く「フードマーケット マム」は、静岡発祥の地域密着型スーパーマーケット。静岡県を中心に、神奈川県や愛知県にも展開しており、全44店舗を運営しています。
店舗はややコンパクトながら、地元ならではの野菜や鮮魚を見る楽しみがあるのが特徴的。地域の農家と直結したコーナーを設けている店舗もあり、シーズンイベントを取り入れた店づくりに定評があります。
お手頃な価格設定とアットホームな雰囲気が魅力で、日常の買い物をより楽しく感じさせてくれるスーパーです。
⑥ 食鮮館タイヨー

静岡市に本部を置く「食鮮館タイヨー」は、名前の通り生鮮食品に強みを持つスーパーマーケット。静岡県中西部を中心に全15店舗を展開しています。
青果・鮮魚・精肉のいずれも鮮度と品揃えに定評があり、旬の食材を見て選ぶ楽しさを感じられる売場づくりが魅力。地域に根ざした営業スタイルで、価格と品質のバランスが良く、中西部エリアでは根強い人気を誇っています。
⑦ 富士屋

焼津市に本社を置く「富士屋」は、静岡県中部を中心に8店舗を展開するスーパーマーケット。地域の特性に合わせた店舗運営を行い、「より良い品をより安く」をモットーに、地元密着のサービスを続けています。
店内は、生鮮食品を中心に、日常の食卓を支える商品ラインナップが充実。単に商品を販売するだけでなく、“生活文化を提案するスーパー” として、健康・安全・環境にも配慮した売場づくりに取り組んでいます。
スタッフの接客や店舗の清潔感にも定評があり、地域の暮らしに自然に溶け込む存在として長く支持を集めています。
⑧ ポテト

「ポテト」は、富士市に本社を置く株式会社マキヤが展開する食品スーパーマーケット。静岡県内で14店舗を運営し、富士市・富士宮市を中心に地域の食卓を支える存在として親しまれています。
創業以来「信頼・利益・感謝」を理念に掲げるマキヤグループは、静岡・神奈川・山梨・埼玉で業務スーパーをフランチャイズ運営する企業。
そのなかでもポテトは、“大地の恵みを届けるファーマーズ・マーケット” をコンセプトに展開しています。
青果や鮮魚、惣菜を中心に、日々の暮らしに寄り添う価格と品質のバランスが魅力です。
⑨ エスポット

「ポテト」と同様に、株式会社マキヤ(本社:富士市)が展開するスーパーマーケットチェーンが「エスポット」です。静岡県中東部を中心に16店舗、神奈川県に5店舗を構え、食品から日用品、家電、衣料までを扱う大型店舗を展開しています。
「価値ある商品を低価格で」をモットーに掲げ、“エンジョイライフ・ディスカウントストア”として多彩な商品をリーズナブルに提供。生鮮食品や惣菜のほか、家庭用品・ペット用品なども一度にそろうワンストップ型の利便性に定評があります。
⑩ カドイケ

静岡県東部エリアを中心に展開する「カドイケ」は、地域密着型のスーパーマーケット。三島市・裾野市・沼津市・伊豆市などに8店舗を構え、地元の暮らしに寄り添った営業を続けています。
「正直な商売」をモットーに、安心・安全な商品を適正な価格で販売する姿勢を貫き、生鮮食品や惣菜の品質にも定評があります。
とくに地元産の野菜や魚介を積極的に取り入れた売場づくりは地元の方々からも好評で、大型チェーンにはない温かみと親しみやすさが魅力です。
⑪ ヒバリヤ

明治8年創業、静岡県静岡市清水区(三保半島・折戸)発祥の老舗スーパーマーケット「ヒバリヤ」。100年以上にわたり、地元のお客様に親しまれてきた地域密着チェーンで、現在は清水区から焼津市・藤枝市・島田市まで全6店舗を展開しています。
モットーは「地域愛着」。地元で採れた美味しい商品を中心に、価格にもこだわった品揃えが魅力です。
また、グループ内には鮮魚専門店もあり、“お魚ならここ” と言われるほど、地元での信頼が厚いスーパーです。
⑫ KOマート

静岡市に本社を置く「KOマート」は、静岡県中西部を中心に県内各地へ展開するスーパーマーケットチェーン。店舗はコンパクトながら、輸入食品やワイン、チーズなどのセレクト商品が充実。地元食材や季節の野菜も扱い、ふだんの買い物の中に “ちょっと特別感” を添えてくれるスーパーです。
さらに「医食同源」の考えを軸に、安心・安全で良質な食材を追求したプライベートブランド商品にも注目。品質とこだわりを兼ね備えた、“地元発の上質スーパー” として地域にしっかり根づいています。
⑬ フードストアあおき

静岡県沼津市に本社を置く「フードストアあおき」は、東部伊豆地方を中心に県内で8店舗を展開するスーパーマーケットチェーン。
高品質な生鮮食品と洗練された商品ラインナップで知られ、とくに鮮魚は下田・沼津・伊東の各市場に直接足を運んで仕入れるなど、地魚を中心とした鮮度の高さが評判です。
さらに、惣菜やベーカリーにも力を入れ、手づくりの温かみを感じられる売場づくりも魅力。近年はYouTubeなどのメディアで紹介される機会も増え、注目を集めるローカルスーパーとなっています。
⑭ マミー

「マミー」は、「ポテト」や「エスポット」と同じく静岡県富士市に本社を置く株式会社マキヤが展開する食品スーパーマーケットブランド。富士市・沼津市・御殿場市で4店舗を運営しています。
特徴は、手ごろな価格と買いやすさを両立した店舗づくり。グループ内の「業務スーパー」と併設している店舗もあり、一般向けの商品に加えて業務用サイズの食材やお得な大容量商品も購入できます。家庭的な惣菜や新鮮な生鮮食品を中心に、“安くて便利” を実感できる地元密着型スーパーとして親しまれています。
⑮ マックスバリュ東海

「マックスバリュ東海」は、静岡県浜松市に本社を置くイオングループ傘下のスーパーマーケットチェーン。静岡・愛知・三重など東海エリアを中心に展開し、地域密着と全国ブランドの安心感を両立しています。
県内でも全域に店舗を展開し、最大規模のスーパーマーケット網を誇ります。
特徴は、イオングループのスケールを活かした豊富な品揃えと低価格。加えて、地元産の野菜や水産物など、静岡発祥の企業として地域の生産者と連携した販売にも力を入れています。
地元に根ざす全国チェーンとして、日常の買い物からまとめ買いまで幅広いニーズに対応しているスーパーです。
静岡県のスーパーをもっと楽しむコツ

せっかく静岡県で買い物をするなら、地元の名物や旬の食材を積極的に手に取ってみましょう!
惣菜コーナーに並ぶ黒はんぺんフライ、冬場の三ヶ日みかん、鮮魚売り場の桜えびやカツオ、そして静岡茶の香り——。
最後は、静岡の魅力をもっと堪能できるコツをご紹介します。
「黒はんぺんフライ」を探してみて
静岡の惣菜コーナーでよく目にするのが黒はんぺんフライ。いわしやサバなどの青魚をすり身にして作る「黒はんぺん」は、静岡を代表する食材のひとつです。
そのまま食べたり、焼いたりしても美味しいですが、衣をつけて揚げた黒はんぺんフライはスーパーでも人気の商品。お弁当のおかずや夕飯の一品として並ぶことが多く、地元の味としてすっかり定着しています。
見かけたら、ぜひ一度手に取ってみてください。
三ヶ日みかんを旬の時期にチェック
静岡を代表する果物といえば、やはり三ヶ日みかん。
温暖な気候と日照時間の長さに恵まれた浜松市北区三ヶ日町で栽培されるブランドみかんで、甘みと酸味のバランスが良く、濃厚な味わいが特徴です。
スーパーでは11月ごろから店頭に並び始め、12月頃に最もおいしい旬を迎えます。
多くの店舗では手軽な数個単位での商品が中心ですが、贈答品向けの箱入りタイプを扱うところも。季節の風物詩として、ぜひ旬のうちに味わってみてください。
由比の桜えび・焼津のカツオを鮮魚売り場で
静岡の鮮魚売り場をのぞくと、駿河湾の恵みがそのまま並んでいます。
なかでも有名なのが、春と秋の年2回しか漁が行われない由比の桜えびと、全国でも有数の水揚げ量を誇る焼津のカツオ。どちらも県内ではスーパーの鮮魚コーナーでよく見かける存在です。
桜えびは釜揚げや生の刺身用、かき揚げなどの商品が多彩に並び、カツオは刺身やたたきで楽しめる定番の初夏の味。
地元ならではの鮮度と価格で手に入るのは、静岡県のスーパーならではの魅力です。
季節ごとに表情を変える “海の幸売り場” も、ぜひチェックしてみてください。
静岡茶はお土産にもおすすめ
静岡のスーパーでは、定番のお茶も種類豊富にそろっています。ティーバッグや個包装タイプ、缶入りのギフトセットまで幅広く、手頃な価格で “静岡らしさ” を持ち帰れるお土産として人気です。
お茶は日持ちがするうえ軽くてかさばらないため、旅先での買い物にもぴったり。スーパーをのぞけば、手軽に“静岡の味”と出会えるかもしれません。
まとめ
静岡県のスーパーは、地元の食材と文化が集まる身近なスポットです。鮮魚・お茶・惣菜など、地域ごとに違う魅力を楽しめるのも静岡ならでは。
日々の買い物はもちろん、旅の寄り道にも。スーパーから始まる “静岡のおいしい体験” をぜひ味わってみてください。
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