「青果店(八百屋)」とは? スーパーとの違いと働き方・収入まとめ

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この記事の監修

監修者のアバター       葛川英雄      

水産市場の競り人、生鮮食品業界、人材業界で培った豊富な経験を持つ食のプロフェッショナル。現在は株式会社オイシルの代表取締役として、10年以上の業界経験を活かし、生鮮業界やスーパーマーケット業界の発展に貢献しています。

「青果店」とは、新鮮な野菜や果物を中心に販売する小売店のことです。地域によっては昔ながらの呼び方で「八百屋」ともよばれ、日々の食卓を支える身近な存在として親しまれてきました。
スーパーのように多種多様な商品を扱うお店とは違い、価格が手頃で旬の食材に詳しい店主から直接話を聞けることも、青果店ならではの魅力です。

本記事では、そんな青果店の役割スーパーとの違い安さの理由についてご紹介します。さらに、店で働く人の仕事や給料の目安、開業に向けた準備のポイントについても見ていきましょう。

目次

青果店(八百屋)とは? 特徴や役割を解説します

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まずは、青果店の特徴と歴史について見ていきましょう。スーパーとの違いや、昔から続く呼び方に触れながら、青果店が果たしてきた役割を整理します。

青果店の特徴とスーパーマーケットとの違い

青果店とは、野菜や果物といった青果物を専門に扱う小売店のことです。日常的には「八百屋」と呼ばれることもあり、呼び方は違っても基本的に同じ意味で使われています。

売り場の規模はスーパーほど大きくありませんが、その分、旬の食材に合わせた柔軟な仕入れや値付けができるため、「今日はこれが安い」という日替わりの楽しさがあります。

一方、スーパーマーケット野菜・果物に加え、肉や魚、日用品まで幅広く取り揃えており、価格も安定しやすいという利点があります。
ただし大量仕入れを前提としているため、青果店ほど迅速に仕入れや値段を調整できるわけではありません。

こうした違いから、鮮度や価格の変動を楽しみに通う人にとっては、青果店ならではの魅力が感じられます。

江戸時代は「八百物屋」や「青屋」と呼ばれていた

青果店の歴史をたどると、江戸時代には「八百物屋(やおものや)」「青屋(あおや)」と呼ばれていた記録が残っています。当時は野菜や果物だけでなく、豆腐や乾物など幅広い食材を扱う生活の中心的な店として親しまれていました。

その後、時代が進むにつれて品ぞろえは精選され、現在のように野菜や果物を専門に扱う「青果店」という呼び方が定着しました。
近年はスーパーマーケットやコンビニエンスストアの普及により店舗数が減少しているものの、専門性の高さや店主との対面でのやり取りなど、青果店ならではの魅力は今も一定の支持を集めています。

青果店はなぜ安い? 知られざるコスト抑制の工夫

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「青果店はスーパーより安い」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。その背景には、店舗の規模や運営スタイルに合わせた独自の工夫があります。

ここからは、人件費や家賃といった固定費の抑え方から、仕入れや商品ロス削減の工夫、さらには信頼関係を活かした直接取引まで、青果店ならではのコスト抑制の仕組みを見ていきましょう。

人件費と家賃を抑えた運営で固定費を最小限にしている

青果店の価格が手頃に感じられる大きな理由のひとつは、固定費の少なさにあります。スーパーのように多くの従業員を雇うのではなく、家族経営や少人数で店舗を切り盛りしているケースが多いため、人件費が大幅に抑えられます。

また、郊外の大型施設や駅前ビルに出店するスーパーに比べ、青果店は商店街や住宅街の一角に構えることが多く、家賃負担も比較的小さいのが一般的です。
このように、人件費や家賃といった固定費を最小限に抑えるシンプルな運営体制が、青果店の「安さ」を支えているのです。

仕入れの工夫とロス削減で無駄なコストをカットしている

青果店は、大型スーパーのように一括で大量仕入れを行うのではなく、その日の売れ行きや天候に応じて柔軟に仕入れ量を調整することが多いのが特徴です。市場での取引価格を見極めたり、生産者との関係を活かした小回りのきく仕入れを行ったりすることで、余分な在庫を抱えずに済みます。

また、野菜や果物は鮮度が落ちやすく廃棄ロスが発生しやすい商品ですが、青果店では店頭の値札をこまめに調整したり、加工や袋詰めをして売り切る工夫をしたりと、商品ロスを最小限に抑えています。

こうした取り組みによって廃棄のリスクを減らせるため、必要以上の負担をかけずに価格を下げられます。つまり「安さ」を実現しながらも、品質を損なわない販売につなげているのです。

信頼関係を活かした直接取引で仕入れコストを下げている

青果店の安さを支えるもう一つの理由が、生産者や市場関係者との信頼関係を活かした直接取引です。長年のつながりや地元ならではのネットワークを通じて仕入れることで、中間コストを減らし、仕入れ値そのものを抑えることができます。

例えば、規格外の野菜や果物を買い取って店頭に並べるケースもあります。見た目に少し傷があったりサイズが不ぞろいだったりしても、品質に問題はないため「お買い得品」として販売できます。

こうした直接取引ならではの工夫が、結果として消費者に「掘り出し物を安く手に入れられる」という魅力を提供しているのです。

青果店にはどんな仕事がある? 職種別に役割を紹介

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青果店では「野菜や果物を売る」だけでなく、仕入れ在庫管理宅配店舗運営まで、さまざまな仕事が行われています。スーパーのような大規模な分業制ではなく、少人数だからこそ一人が複数の役割を担うことも多いのが特徴です。

ここからは、販売・加工・仕入れ・配送・運営といった主な業務別に、どのような仕事があるのかを見ていきましょう。

接客・レジ・品出しなどを担当する「販売」の仕事

青果店の中心となるのが、店頭での販売業務です。レジ対応陳列棚への品出しに加え、鮮度保持のための温度管理や品質チェックを日々行います。

また、値札の調整や商品ロスを防ぐ工夫をしながら、買いやすい売り場をつくることも欠かせない役割です。お客さまから保存方法や食べ頃を尋ねられる場面もあり、商品知識を活かした案内も販売スタッフの仕事に含まれます。

商品の「パッキングや加工」を行う仕事

青果店では、野菜や果物をそのまま販売するだけでなく、食べやすいサイズにカットしたり、小分けにしてパック詰めしたりする作業も行われます。特に果物や葉物野菜は、鮮度保持や買いやすさを考えて事前にパッキングすることが多いです。

こうした加工業務は、販売スタッフが兼務することもあれば、専任で担当する場合もあります。見た目を整えて陳列棚に並べることで、商品ロスを減らし、消費者にとって選びやすい売り場づくりにもつながります。

市場対応や在庫管理を行う「仕入れ・発注」の仕事

青果店の運営に欠かせないのが、仕入れや発注の仕事です。早朝に市場へ足を運び、その日の相場や商品の状態を見極めて必要な量を仕入れるほか、生産者から直接仕入れるケースもあります。こうした仕入れの判断が、その日の売り場の鮮度や価格を左右します。

さらに、在庫管理も重要な役割です。野菜や果物は鮮度が落ちやすいため、余分に仕入れてしまうと商品ロスにつながります。売れ行きや天候を考慮しながら、必要な分を適切に発注することで、無駄を減らしながら安定した販売を可能にしています。

店舗からの配送や委託による「宅配」を担う仕事

青果店では、店頭販売だけでなく配送宅配を行うこともあります。対象は近隣の飲食店といった法人(to B)だけでなく、常連客など一般のお客さま(to C)に対しても同様で、注文に応じた野菜や果物をまとめて届けるのが役割となります。

このような宅配に関しては、規模の大きな店舗では専任スタッフを置くこともありますが、個人店では販売担当が兼務するケースも少なくありません。近年では、外部の宅配サービスと提携して効率的に商品を届ける青果店も増えています。

シフト調整や売上管理など「店舗全体を運営」する仕事

青果店の運営を支えるのが、シフト管理や売上管理といった店舗全体のマネジメント業務です。販売や仕入れ、宅配などが滞りなく回るように、スタッフの勤務を調整したり、売上と経費を確認したりする役割を担っています。

誰が担当するかは店舗の規模によって異なります。個人店では店主が一手に引き受けるのが一般的で、小規模店舗ではベテランスタッフが補佐役を担うこともあります。チェーン店や大規模な青果店では、店長や副店長といった役職者が中心となり、運営管理を行っています。

また、売り場づくりや季節ごとの仕入れ計画を考えるのも運営担当の仕事です。効率よく店舗を回すことで、安定した経営とお客さまへのサービス向上につながっています。

青果店ではいくら稼げる? 雇用形態と給料の目安

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ここからは、青果店で働くときの働き方収入について見ていきましょう。
雇用形態によって収入の安定性やキャリアの広がり方は大きく変わります。短時間で柔軟に働けるパート・アルバイトや、安定した収入や昇格のチャンスがある正社員、そして自ら店を構える独立開業。それぞれのスタイルについて整理して紹介します。

パート・アルバイトは時給制で柔軟な働き方が可能!

青果店のパート・アルバイトは、レジや品出し、パッキング補助など比較的シンプルな業務を担当します。勤務は時給制で、金額は地域や店舗の規模によって異なります。求人サイトを見ると、最低賃金をベースにした水準から、数十円〜100円ほど上乗せされる例が多いようです。

勤務時間はシフト制で、午前中だけ・夕方だけといった短時間勤務も可能です。そのため、学生や子育て中の方など、ライフスタイルに合わせて働きたい人に向いています。また、派遣スタッフとして一定期間だけ勤務するケースもあり、繁忙期の戦力として活躍する場面もあります。

長期的な安定収入を求める人には向かない場合もありますが、短時間勤務ライフスタイルに合わせた働き方を希望する人には取り組みやすい選択肢といえるでしょう。

正社員は安定収入に加えて福利厚生も充実!

青果店で正社員として働く場合は、販売や仕入れ、運営補助など幅広い業務を担当します。給与は月給制が一般的で、初任給はおおむね 20万円前後からスタートすることが多いです。経験を積むことで昇給があり、店長に昇格すれば月給30万円以上を目指せるケースもあります。

厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、スーパー店員(食品スーパーマーケット販売店員)の平均年収は約369.5万円とされています。こちらはスーパー全体のデータであり青果店に特化したものではありませんが、同様の業務形態として参考にできる数値です。

安定した収入を得ながら、福利厚生や社会保険が整っているのも正社員ならではの安心感です。さらに、キャリアアップを通じて店長や管理職を目指せるのは正社員の大きな魅力といえるでしょう。

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独立開業者は実力次第で高収入も可能!

青果店で独立開業する場合、仕入れルートや顧客との関係づくりが軌道に乗れば高収入を得られる可能性があります。しかしその一方で、売上の波や固定費の負担などリスクも少なくありません。

開業には、店舗の家賃や設備投資、仕入れ資金といった初期費用に加え、保健所への営業許可などの手続きも必要です。さらに、経営を安定させるには立地条件や仕入れ先の確保が欠かせず、スーパーとの差別化につながる商品やサービスも求められます。

自分の裁量で売り場づくりや価格設定を行える自由度は大きな魅力ですが、成功には計画性と戦略が重要になる働き方といえるでしょう。

まとめ

青果店は、地域に根ざして新鮮な野菜や果物を届ける身近な存在です。スーパーとは違い、仕入れや価格設定の柔軟さ、対面でのやり取りといった独自の魅力を持っています。

働き方はパート・アルバイトから正社員、独立開業まで幅広く、それぞれ収入や安定性に違いがあります。自分のライフスタイルや将来のキャリアを考えながら、どのスタイルが合っているかを選ぶことが大切です。募集要項では、勤務時間や定休日、通販や宅配を行う場合の発送業務なども確認しておくと安心です。

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