スーパーマーケットの鮮魚部門で働く正社員には、どのような大変さがあるのでしょうか。
刺身や切り身の加工、売場づくり、在庫管理に加えて、パート・アルバイトの教育やシフト調整、さらには売上や廃棄の管理まで…… 日々の業務は多岐にわたり、「体力も責任も問われる仕事」と言われることが少なくありません。
しかし、その一方で、正社員だからこそ得られる安定性や、キャリアアップの道が開けているのも事実です。
店舗内での昇進だけでなく、複数部門の経験を活かして本部職や他業種(仲卸・加工・配送など)への転職につながるケースもあるなど、プラス面も多く存在します。
そこで今回は、スーパーの鮮魚正社員のリアルな仕事内容や大変さ、そしてその先にある評価や将来性までを徹底的に解説します。
「きつい」と言われる理由を知りたい方も、「それでもやってみたい」と考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
鮮魚を扱う仕事、正社員だとここがきつい! リアルな声を紹介

鮮魚売場では、パートやアルバイトでも技術力やスピードが求められるものの、正社員の担う役割はさらに広範。魚を捌くスキルだけでなく、組織運営や人間関係、数字管理など多彩な責任を負います。
現場がうまく回るかどうかは、正社員の采配にかかっていると言っても過言ではありません。まずは「パートやアルバイトにはない大変さ」が実際にどのようなものなのか、現場の声とともに見ていきましょう。
切り身から刺し身まで! どの業態でも求められる「一通りの技術力」
鮮魚売場で正社員として働くうえで、基本的な加工技術を一通りこなせることは大前提となります。三枚おろしや刺し身の引き方、柵取り、切り身加工、骨抜き、皮引き、盛り付けまで、スーパーでも鮮魚専門店でも「即戦力」として扱われるには一定のスキルが必要です。
とくにスーパーでは、作業のスピードと正確さを両立することが重視されます。限られた人員と時間の中で、開店時間までに商品の準備を終わらせるには、無駄のない動きと判断力が欠かせません。
一方で、こうしたスキルは店舗や業態を問わず通用する汎用性の高い技術でもあります。
仲卸や加工場、鮮魚専門店への転職を考える際にも、「一通りこなせるかどうか」は実力の指標として見られやすく、正社員としての下積み経験は大きな財産になるでしょう。
スーパーではとくに多い! 採用から教育まで正社員が担う大変さ
正社員は単に「さばける」だけでは不十分。パートやアルバイトスタッフが多いスーパーでは、魚種によるさばき方の違いや、歩留まりを意識したカット方法などを教えながら、現場の即戦力を一から育てていくのも正社員の重要な役割です。
鮮魚の技術は「見て覚える」「慣れるしかない」と言われがちですが、最近では未経験者や若手の採用も増えており、丁寧な指導が欠かせない環境になっています。
包丁の持ち方や切り方はもちろん、作業の順序や衛生管理の基本まで、理屈を説明できる力が求められるのです。
加えて、正社員の業務は教育だけではありません。パート・アルバイトの面接や導入研修、日々のフォローなども任されることが多く、現場作業と並行して事務的なタスクに追われる場面もあります。
こうした技術指導と人材対応の両立も、正社員ならではのきつさといえるでしょう。
できるだけ希望を聞きたいけれど… シフト調整の板挟みのつらさ
スーパーの鮮魚売場では、パート・アルバイトスタッフの希望シフトを反映しながら、限られた人員で1か月の稼働を組んでいくのが正社員の役割のひとつです。
「なるべく希望は通してあげたい」と思っても、人手が足りない曜日や時間帯はどうしても生まれてしまい、誰かに無理を頼まざるを得ない場面も少なくありません。
勤務希望を取りまとめたうえで、スタッフの家庭事情や通勤手段、本人のスキルや特性を加味して配置を組む作業は、見た目以上に複雑で神経を使う仕事です。
とくに子育て世代や高齢のスタッフが多い職場では、体調不良や急用による直前の変更が頻発し、予定どおりにいかないことも日常茶飯事。
「希望は聞きたい」「でも現場は回さなければならない」その板挟みの中で、知らず知らずのうちに精神的な疲れが蓄積していく、そんな声も少なくありません。
年末年始・土日祝… 繁忙期は正社員が優先的に駆り出されるつらさ
スーパーの鮮魚売場では、年末年始・土日祝・大型連休など、繁忙期の忙しさが飛び抜けています。
ふだんから現場に立つ正社員も、こうした時期には休みの調整や私生活とのバランスに悩みながら売場を支えることが多く、プレッシャーを感じやすいタイミングでもあります。
学生バイトやパートが休みを希望することが多い年末年始や連休中は、「正社員だから出られるよね」という前提でシフトが組まれてしまうこともあり、長時間の連勤や希望休の制限が発生しやすくなります。
とはいえ、残業時間の上限や労務管理のルールが厳しくなっている今、単純に「自分が出ればいい」というわけにもいかないのが実情です。
「出れば早い」「でも出られない」… そのジレンマの中で、誰にどの作業を任せるか、どう回すかといった調整が常に求められ、精神的な負担も大きくなります。
売上・粗利・廃棄… 数字で評価される責任の重さがのしかかる
鮮魚部門の正社員は、単に商品を並べるだけではなく、売上・粗利・ロス(廃棄)といった数値の管理と結果責任も負っています。
「売上目標を達成できているか」「粗利率は維持できているか」「ロスを出しすぎていないか」これらは日々チェックされ、上司や店長との会議でも数字での報告が求められます。
とくに鮮魚は天候や漁獲量、客数によって売れ行きが大きく左右されるため、計画どおりにいかないことが多い仕事です。
そのような中でも、常に経営視点での目標達成を求められる正社員は、日々の売上報告やロス管理を徹底しながら、店舗全体の収益にも責任を負うプレッシャーを感じやすいのです。
ベテランの多い職場でこそ大変! 人間関係の調整役としての重圧
スーパーの鮮魚売場には、長年勤めるベテランスタッフや、技術にこだわりを持つパート従業員が多く在籍していることがあります。それぞれが自分なりのやり方やペースを持っているため、ちょっとした意見の違いがトラブルにつながることも珍しくありません。
このような中で、人間関係の “間に入る” 役目を担うのが正社員です。とくにスーパーでは慢性的な人手不足に悩まされていることもあり、「新人が定着するかどうか」が売場全体の安定に直結することも少なくありません。
対人スキルや場の空気を読む力、柔軟な対応力などなど、正社員に必要なスキルは多岐にわたります。
フル出勤・力仕事・朝型勤務… 正社員は体力勝負の毎日が当たり前
鮮魚売場で働く正社員は、毎日決まった時間に出勤し、フルタイムで現場に立つのが基本。加工や品出し、バックヤードの作業など一日中立ち仕事が続くうえ、発泡スチロールや氷の運搬などある程度の力仕事も避けられません。
しかも、魚の鮮度を保つための冷蔵環境での作業は、思っている以上に体が冷えやすく、知らず知らずのうちに疲れがたまることもあります。
そのため、ただ現場に出るだけでなく、日々の体調管理やコンディション維持も仕事のうち。「常にベストな状態で働き続けなければならない」という意識が、正社員にとって大きなプレッシャーになることもあるようです。
きつい分、評価もされる!正社員は店長・本部職も視野に

ここまで、正社員ならではの大変さを見てきましたが、実はその積み重ねこそが “評価される土台” でもあります。現場業務に加えて、売上や人材管理など幅広い経験することで、キャリアアップのチャンスは着実に広がっていきます。
ここからは、そうしたキャリアの広がりについて見ていきましょう。
店舗内では部門リーダー・副店長・店長への昇格が一般的
多くのスーパーでは、まず部門内で経験を積み、売場責任者(主任・チーフ)→副店長→店長という流れで昇格していくのが一般的です。
売場責任者になると、発注や売場づくりだけでなく、目標の設定・数値管理・部下の育成など “マネジメント業務” の比重が増えていきます。
さらに副店長や店長に昇格すれば、店舗全体の運営に関わる立場となり、鮮魚以外の部門やスタッフとも連携しながら、広い視野で動く力が求められるようになります。
その分、責任も重くなりますが、「現場経験をしっかり積んできたからこそ、他部門との調整もうまくできる」「信頼されやすい」といった声も多く、正社員としての下積みが昇格後にも活きる場面は少なくありません。
複数部門の経験があれば管理職や本部職への道もある
店舗内で実績を重ねた正社員は、複数の部門をまとめる役職やエリアマネージャー、スーパーバイザーといった管理職に昇格するチャンスがあります。
とくに大手スーパーでは、他店舗への異動や広域での人材管理を担うポジションに就く人も少なくありません。
また、売場づくりや販売実績に加え、部下の育成や数値管理の経験が評価されれば、商品部や人事・教育などの本部職に登用されるケースもあります。
「現場で終わり」ではなく、次のステージがしっかり用意されていることも、正社員として働く大きな魅力のひとつです。
小売から仲卸・加工・配送も! 他の鮮魚関連職にも転職しやすい
スーパーの鮮魚部門で培った加工技術や商品知識、売場運営の経験は、他の鮮魚関連職でも評価されやすいスキルです。実際に、スーパーから仲卸業者や加工専門業者、配送センターなどに転職し、活躍している人も多くいます。
たとえば仲卸では、魚の目利きやスピード感ある対応力が重視されるため、スーパーでの実務経験が即戦力として期待されやすい傾向があります。
また、加工場やチェーン系の加工センターでは、品質・衛生管理を意識した作業経験がある人材が重宝される場面も多く見られます。
さらに、配送業務においても、商品管理や温度帯への理解があることで、より専門的なポジションを任されることがあります。
とくにルート配送ドライバーなどは、安定した勤務体系と一定水準の給与が見込めるため、異業種として注目されるケースも少なくありません。
このように、小売での現場経験は「魚を扱う仕事」全般で通用する強みになり得ます。キャリアチェンジを視野に入れても選択肢が広がる点は、正社員として働くうえで大きな安心材料といえるでしょう。
鮮魚の正社員はどれくらい稼げる?働き方・職場別に給料を比較

正社員として責任の重い仕事を担う以上、「その分、収入も見合っているのか」は気になるポイント。
とくに鮮魚に関わる仕事は体力や技術、マネジメント力まで求められるため、「待遇が納得できるかどうか」で将来の働き方も大きく変わってきます。
ここから、スーパー・仲卸・加工・配送といったさまざまな鮮魚関連の職場における正社員の年収や待遇を比較しながら、それぞれの働き方の特徴を見ていきましょう。
🛒 スーパーは基本的に年功序列! 大手と中小で昇給ペースに差がある場合も
大手スーパーは給与体系が整っており、年に一度の昇給や賞与制度が明確に運用されていることが多く、正社員の年収は400万〜500万円前後がひとつの目安となります。勤続年数や役職に応じて昇給する、比較的安定した年功序列型の仕組みが特徴です。
一方で、中小規模のスーパーでは、会社や店舗ごとの方針によって昇給や賞与に差が出ることもありますが、おおむね年収は350万〜400万円台が中心です。
ただし、小回りの利く環境で、若手にも早くから責任ある仕事が任される傾向があるため、キャリア形成のスピード感を重視したい人には魅力的な選択肢となるでしょう。
安定を重視するなら大手を、成長スピードや裁量の大きさを重視するなら中小を選ぶという視点が、転職先を選ぶうえでの判断ポイントになります。
✅ 大手スーパーの特徴
● 給与体系・昇給制度が明確で、収入が安定しやすい
● 福利厚生や研修制度が整っており、働きやすい環境が整備されている
● 雇用が安定しており、長期勤務に向いている
▲ 昇進に年功序列の傾向があり、若手が活躍しにくい場合も
▲ 店舗ごとの裁量が小さく、やりがいを感じにくいことがある
▲ 異動や転勤が発生する企業も
✅ 中小スーパーの特徴
● 若手でも実力次第で昇格や責任ある仕事を任されやすい
● 現場との距離が近く、アイデアを活かしやすい職場が多い
● 地域密着型で転勤が少ない傾向がある
▲ 給与や待遇が業績に左右されやすく、将来の見通しが立てにくい
▲ 教育体制が整っていないことも多く、OJT頼みになりがち
▲ 評価制度が曖昧な企業もあり、頑張りが報われにくいケースも
正社員なら福利厚生も充実! 家族手当・退職金・交通費などが支給される場合も
スーパーの正社員として働く大きなメリットのひとつが、福利厚生の充実です。
とくに大手チェーンでは制度が整っており、正社員を対象とした各種手当や支援制度が設けられていることが少なくありません。
代表的な手当には以下のようなものがあります。
- 家族手当
配偶者や扶養する子どもの人数に応じて毎月支給される手当。子育て中の家庭にとって大きな支えになります。 - 住宅手当
賃貸住宅に住んでいる社員などに対して支給される家賃補助。地域によって金額に差がある場合もあります。 - 交通費支給
通勤にかかる交通費を全額または定額で会社が負担。公共交通機関・自家用車通勤のいずれにも対応している企業もあります。 - 退職金制度
一定年数以上勤続した社員に対して支給される退職金。将来的な備えとして大きな安心材料になります。
このほかにも、賞与(年2回)や健康診断の補助、社員割引制度、制服貸与、財形貯蓄制度など、企業によって特色ある福利厚生が整っているケースもあります。
また、パートやアルバイトに比べ、これらの制度をフルに活用できるのは正社員ならでは。長期的な働き方を考えるうえで、福利厚生の有無は大きな安心材料となるでしょう。
なお、福利厚生の内容は企業によって差が大きく、求人票に明記されていない場合もあります。実際に応募する際は、採用ページや社員の口コミサイトなどもあわせて確認しておくと安心です。
後悔しないために!正社員として注目すべき5つの視点

鮮魚売場の正社員は、やりがいや評価につながる一方で、体力・精神力の両面でハードな場面も少なくありません。「入ってみたら想像以上に大変だった」と後悔しないためには、事前に職場環境や働き方のポイントをしっかり見極めておくことが大切です。
最後は、転職や就職の際にチェックしておきたい5つの視点を紹介します。「きつさ」だけでなく、「自分に合った職場かどうか」を見極める手がかりにしてみてください。
① 教育制度や研修はある?未経験でも挑戦しやすい職場を見極めよう
魚の捌き方や商品知識など、初心者にとっては最初のハードルが高く感じられるのが鮮魚の仕事です。
そのため、マニュアルや動画研修、実技指導など、未経験者でも学びやすい体制が整っているかどうかは重要なポイント。
外部講習や資格取得支援を用意している職場環境であれば、段階的にスキルを習得しやすく、モチベーションの維持にもつながります。
職場見学や面接の際には、「新人に教える時間を取ってくれそうか」「習熟度に応じたサポートがあるか」なども確認しておきたいところです。
② 業務の負担が大きいかも…正社員の人数が少ない職場は要注意!
正社員の人数が少ない職場では、業務の偏りが起きやすく、ひとりにかかる負担が重くなる傾向があります。とくにシフト作成や売場運営、スタッフ管理など、責任ある業務を兼任している場合は、体力的にも精神的にもハードになりがちです。
無理が続けばミスや体調不良にもつながるため、「正社員が何人いて、どのように役割分担されているか」は必ず確認しておきたいポイントです。
求人票では見えづらい部分だからこそ、面接や職場見学の際に「正社員の在籍数」「仕事の割り振り方」などを具体的に質問しておきましょう。
③ 昇給・昇格はできそう?制度が整っているかをチェック
正社員として働く以上、頑張った分だけ評価される仕組みがあるかどうかはとても重要です。昇給や昇格の制度が整っていないと、どれだけ実績を積んでもポジションや給与が変わらず、モチベーションの低下につながりかねません。
とくに年功序列ではなく、成果や意欲が評価される会社であれば、若いうちから責任ある立場を任されるチャンスも期待できます。
その反面、「昇格できるのは店長だけ」「ポストが埋まっている」といった理由で昇進が難しいケースもあるため、事前の確認が大切です。
求人情報に「評価制度あり」「昇給実績あり」と記載がある場合でも、実際にどのような基準で昇格が決まるのか、年収がどのように上がっていくのかを、面接の場などで確認しておくと安心です。
④ 固定シフトか交代制かも重要!生活とのバランスを確認しよう
鮮魚売場の仕事は早朝勤務や土日出勤が多く、生活リズムや家庭との両立を考えるうえで「勤務シフトの組まれ方」は重要なチェックポイント。
スーパーによっては、早番・遅番などの交代制を採用している職場もあれば、固定シフトで勤務時間がほぼ一定という場合もあります。
交代制は柔軟な働き方がしやすく、固定シフトは生活リズムを整えやすいというメリットがあります。自分に合った働き方ができそうかどうか、入社前にしっかり見極めておきましょう。
⑤ 離職率が高すぎる職場は要注意!定着率も見ておきたいポイント
「スタッフの入れ替わりが激しい」「いつも求人が出ている」といった職場は、業務内容や人間関係に何らかの課題を抱えている可能性があります。
とくに正社員として働く場合、長く腰を据えて働ける環境かどうかは非常に重要な視点です。離職率が高い原因は、過酷な労働環境や人間関係など、一朝一夕では改善しにくい問題の場合が少なくないため、避けるのがベター。
求人情報だけでは見えづらい部分だからこそ、面接や見学の際に「どれくらいの年数働いているスタッフが多いか」「直近の離職者がどれくらいいたか」など、さりげなく質問しておくこともおすすめです。
まとめ
鮮魚売場の正社員として働くことは、技術力・体力・マネジメント力まで幅広く求められる分、大変な面も少なくありません。ですがその一方で、店長や本部職への昇格、他職種への転職など、キャリアの選択肢が広がるのも大きな魅力です。
ポイントは、「きつさ」だけに目を向けるのではなく、自分の価値観やライフスタイルに合った職場かどうかを見極めること。教育制度や福利厚生、シフトの仕組みなど、事前に確認できる情報をしっかりチェックしておくことで、入社後のギャップを最小限に抑えることができます。
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