急成長を続ける食品スーパー「ロピア」を運営するOICグループは2026年2月2日、3月1日付で西友前社長の大久保恒夫氏(69歳)が代表取締役社長に就任する人事を発表しました。
創業家出身の髙木勇輔社長(44歳)は親会社OICグループの社長として、M&A戦略などグループ全体の成長に専念します。小売業界で豊富な実績を持つプロ経営者の招聘により、ロピアは新たな成長ステージへと進みます。
【速報】ロピア社長(大久保恒夫氏)交代の概要

2026年2月2日、OICグループは食品スーパー「ロピア」の代表取締役に関する重要な人事を発表しました。
主な人事内容
- 発表日:2026年2月2日
- 就任日:2026年3月1日
- 新社長:大久保恒夫氏(69歳)
- 前社長:髙木勇輔氏は親会社OICグループ社長として継続
髙木勇輔氏は2013年にロピア社長に就任して以来、売上高を約500億円から5,213億円(2025年2月期)へと約10倍に成長させてきました。今回の人事により、髙木氏は現場オペレーションから一歩引き、親会社トップとしてM&A戦略やグローバル展開などグループ全体の成長戦略に注力する体制となります。
大久保恒夫新社長のプロフィールと実績
大久保恒夫氏は、日本の小売業界で「再生のプロ」として知られる経営者です。
主な経歴
- 1979年:イトーヨーカ堂入社
- 1990年:リテイルサイエンス設立、代表取締役社長
- 2003年:ドラッグイレブン代表取締役社長
- 2007年:成城石井代表取締役社長
- 2011年:セブン&アイ・フードシステムズ代表取締役社長
- 2013年:セブン&アイ・ホールディングス常務執行役員
- 2021年:西友社長兼CEO
- 2025年:西友取締役副会長(7月退任)
大久保氏の最大の特徴は、データと論理に基づく経営手法です。イトーヨーカ堂での経験を活かし、自ら設立したリテイルサイエンスでは小売業のコンサルティングを手がけ、業界に「科学的経営」を持ち込みました。
特に西友での実績は注目に値します。2021年の就任以降、不採算店舗の整理や効率化を進め、トライアルホールディングスへの売却(2025年)まで構造改革を主導しました。成城石井では高級路線へのブランド転換を成功させるなど、さまざまな業態での経営経験を持っています。
なぜこのタイミングで社長交代?
ロピアは現在、食品スーパー業界で最も勢いのある企業の一つです。2025年2月期の売上高は5,213億円に達し、わずか3期前の約2倍という驚異的な成長を遂げています。
しかし、急成長には「成長痛」も伴います。ロピアの強みである現場主導の「分権的経営」は、規模が拡大すると統制が難しくなる課題があります。また、2025年末には独占禁止法違反(優越的地位の乱用)で公正取引委員会から行政処分を受けるなど、急成長の歪みも表面化していました。
このタイミングでのプロ経営者招聘には、以下の狙いがあると考えられます。
- 組織の仕組み化と標準化 現場の熱量を維持しながら、データやシステムで支える組織へ進化させる
- M&A戦略の高度化 2025年12月にスーパーバリューを完全子会社化するなど、積極的なM&Aを展開。買収後の統合(PMI)
- コンプライアンス体制の強化 取引先との公正な関係構築と、持続可能な成長モデルへの転換
- グローバル展開への布石 2026年2月11日にタイ・バンコクに海外1号店をオープン予定。国際展開を見据えた経営体制の確立
今後の経営方針と注目ポイント

大久保新社長は就任にあたり、以下の方針を示しています。
「食のテーマパーク」構想の加速
ロピアの経営理念である「同じ商品ならより安く、同じ価格ならより良いものを」を徹底しつつ、買い物自体が楽しい体験となる店づくりを目指します。単なる価格訴求だけでなく、商品の品質やバリエーション、店舗の雰囲気など、総合的な顧客体験の向上を図ります。
分権的組織文化の維持と進化
大久保氏は会見で「ロピアの最大の強みは、現場に権限を移譲し、分権化された組織文化」と明言しています。現場の一人ひとりが自ら考え、行動できる文化は維持しつつ、データとシステムでサポートする体制を構築する方針です。
製造小売化(SPA)の深化
積極的なM&Aにより、商品の製造から販売までを一貫して手がける「製造小売化」をさらに強化します。これにより、高品質で低価格な独自商品の開発が加速すると期待されています。
2031年度売上高2兆円目標
OICグループは2031年度に売上高2兆円を目標に掲げています。これはイオンなどの大手流通グループに匹敵する規模であり、国内展開に加えてグローバル展開も視野に入れた野心的な目標です。
生鮮・食品業界で働く人への影響

今回の社長交代は、生鮮・食品業界で働く人々やこれから働きたい人にとって、いくつかの重要な意味を持ちます。
組織体制の進化とキャリアチャンス
大久保氏の経営手法は「現場重視」と「仕組み化」の両立を目指すものです。現場スタッフの裁量権を維持しながら、データやシステムで支援する体制が整備されることで、より働きやすい環境が期待できます。
また、M&Aの加速により、新たな店舗や事業拠点が増えることで、マネジメント職や専門職のポジションも増加する可能性があります。
教育・研修体制の充実
大久保氏は過去の経歴から、人材育成にも力を入れてきた経営者として知られています。西友時代には従業員教育プログラムの刷新にも取り組んでおり、ロピアでも同様の取り組みが期待されます。
コンプライアンス重視の経営
公正な取引関係の構築を重視する大久保氏の下で、健全な職場環境が整備されることが期待されます。これは長期的なキャリア形成においても重要な要素となります。
まとめ
ロピアの新社長就任は、単なる人事交代ではなく、急成長企業が次のステージへ進むための戦略的な決断です。創業家の髙木勇輔氏が築いた「現場主導の革新的な企業文化」と、大久保恒夫氏が持つ「データと論理に基づく経営ノウハウ」が融合することで、ロピアはさらなる進化を遂げるでしょう。
生鮮・食品業界で働く人々にとって、ロピアは今後も注目すべき企業であり続けます。2031年度の売上高2兆円という目標達成に向けて、組織体制の強化や人材育成への投資が加速することが予想されるため、キャリアの選択肢として魅力的な企業となっていくでしょう。
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